アダンの木
2004年には映画の題名にもなった「アダン」。
奄美大島の海岸線でよく見かけるアダンの木は、タコノキ科の常緑低木です。
雌雄の区別があり、雌株は、初夏または初秋に白い花を咲かせ、
パイナップルのような果実をつけます。
「ソテツとアダン」「海辺のアダン」そして「アダンの木」と
田中一村画伯は、このアダンの木をモチーフとした作品を数点描いていますが
中でも「アダンの木」は、画伯自身が「エンマ大王への土産」と称するほどに
思い入れの深い作品であり、傑作です。
夕陽に照らされて深紅に輝いているアダンの実。
大気の雲からはこれから迫り来る嵐を予感させるようであり
足元に目を向ければ、丹念に描かれた砂浜に目を奪われます。
そこにあるのはまさしく、「繊細なる気魄」です。
田中一村 |
